2011年7月7日木曜日

フルコン5

次はアイドリング時の燃料マップの調整です。

なかなか走り出せません。

燃料マップといっても、いろいろあります。


基本的にリアルタイムモニターを見ながら、始動時、冷間時、暖機中、暖機後の

設定(ターゲット)空燃比が良いかの確認、

そしてその設定(ターゲット)空燃比と、実際の空燃比の誤差、

その誤差がどのくらいの範囲か(補正がどれくらいかと言うこと)と、前後シリンダーでの誤差

をチェックし、空燃比設定がその車両にはあっていないと判断できれば、

空燃比(ターゲット)の見直し(AFRテーブル)、

補正が上下(増減)10~15%を超えてしまうようなら、

燃料噴射量の見直し(アルファNテーブル)、

前後でずれがあるようなら、前シリンダー燃料噴射量の%の変更(フロントシリンダートリム)

(フロントがマイナス15で、リヤがプラス15などと言う時はココだけ変更)

を、少しずつ、一つずづ調整を繰り返していきます。

そして、いよいよ試運転にいきますが、いきなり長距離運転はしません。

まずは近所を軽く走行、空燃比設定に大きくずれているような箇所が無いかの確認と、

バックファイヤー、アフターファイヤーの有無、6速モデルであればランプの点灯具合の確認等々、

モニターを見ながら走れるわけではないので、あくまで走行フィーリングの確認です。

一度戻って、走行ログ、BLM(補正)テーブルをチェックします。

ここで補正が大きい場合は記録し、一度クリアし、もう一度試運転し、同じような補正が入れば

修正し、試運転し、確認し、・・・と繰り返します。

ある程度落ち着いてきたら、長距離走行に行きますが、やることは同じで、チェック→修正

の繰り返しです。




ここで本題から少しずれる気がしますが、良くご質問いただくので記しておきます。

「自動的にどんどんセッティングが出るというけど、本当ですか?」という質問。

特にサンダーマックスで良く聞かれますが、ツインテックもサンダーマックスも半自動的

といったところでしょうか。


あらかじめ設定した空燃比と、実際の空燃比にずれが出ます。

それをO2センサーが読み取り、WEGOやAUTO TUNEが常に自動補正しながら走っています。

あくまで、セッティングが出ると言う定義を、補正が無くなる又は少ないということで考えると、

補正ができるだけ無い方が良いですね。また補正できる範囲は限度がありますので、

刻一刻と変わる状況に対応するには、できるだけ素の状態が補正無しの方が良いわけです。

ですので、常に補正が例えばプラス15あるところは、あらかじめ燃料噴射量を今より

15プラスした数値にしたほうが補正が少なく済むわけです。(※実際の数値はもっと複雑です)

この「常に15プラスになってますよ」と言うのを、ECMが我々に教えてくれ、

更にはAPPLY(この修正をほぼ全域にわたり自動計算により実行するコマンド)

サンダーマックスはAUTO MAP(↑とは少し違いますが、やはり自動的に数値を変更)

などの機能を使えば「一箇所づつ計算し、修正し」の作業を一括で全域できてしまいます。

ですが、この修正をする、しないは任意によるものですし、

何よりも大切なのは、※設定した空燃比(ターゲット)が正しいかどうかです。

半自動的に設定空燃比に向かってはいきますが、その空燃比が正しくなければ

意味がありませんね。ですから、結果、半自動ではないかと思います。

以上







さてここまでで、気になる方もおみえになるかと思いますが、

点火時期にはほとんど触れていません。

それと、あくまで、空燃比設定も大幅な変更を行いません。

当店でも、サンダーマックスやスクリーミンイーグル(純正ECM書き換え)の場合は、

燃料、点火ともに大幅に変更します。

これはもともとの設定が燃料は薄く、点火時期は早くなっているからです。

(あくまで、当店が納得いく数値に比べて、です。そして更に言うなれば、
 あくまで「納得」で、「完璧」ではありません)


もちろんツインテック ジャパンバージョンでもノッキングが出てしまったり、

空燃比設定が大きくずれていて、バックファイヤーアフターファイヤー、またはストール

など走行に支障をきたすほどであれば、修正を致しますが、

そうでない場合は大幅な変更は行いません。

これが、ジャパンバージョンのジャパンバージョンたる所以で、

あらかじめ設定されている数値がある程度日本向けになっています、ということです。

あくまで「日本向け」、であり、レース用でも、TNPでも、水陸両用でもありませんし、

一台一台仕様も違えば、個体差もありますし、そして何より個人個人で趣にも違いがあります。


ツインテックはここまでに記したように非常に細かなところまでこだわり、施工している反面、

仕様にもこだわりがあります。


また、「お薦めはどれですか?」と言う質問も多くいただきます。

今後、サンダーマックスやスクリーミンについても機会があれば記していきたいと思いますが、

これがお薦め!と言うのではなく、どんな風に乗るのか、今後どうしていきたいか

で、その都度変わってきてしまうものだと思います。

以上のことを踏まえて、今後の選択の参考にしていただければと思います。

また、疑問や質問等あればなんなりとお申し出ください。

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